貴方はどっち派?水冷と空冷の利点と欠点
皆さんが乗られているバイクは水冷ですか?空冷ですか?はたまた油冷?
今回は冷却方法について水冷と空冷のメリットとデメリットついて書いていこうと思います.油冷についても最後の方にちょこっと書きますよっ!
「これからバイク買うんだけど…どこ見たらいいの?」という方は是非,冷却方式について知っていってください!
そもそも何故冷却しないといけないの?
エンジンは走行するためのエネルギーをガソリンと空気を混ぜたものを爆発させ得ています.その時に同時に熱が発生します.走行した後にエンジンの近くに手をそっと近づけてみて下さい.熱くなっているのが空気で伝わってきます.
※決して走行後すぐにエンジンに触らないで下さい.火傷の危険があります.
結果としてエンジンはどんどん熱くなってしまいます.
これではエンジンやら他の部品やらが壊れてしまいます.
その為冷却する必要があるのです.
その冷却の方法がこれから話をする「水冷」「空冷」「油冷」です.
水冷
エンジンを冷却水を使って冷やす方法です.
エンジンの周辺に通された管(ウォータージャケット)に冷却水を通しエンジンの熱を吸収,そして空気へと放出する仕組みです.
冷却水にたまった熱を放射する役割を担っている部品を「ラジエーター」と呼びます.
エンジンを冷やすための媒体である冷却水には水と不凍液を混ぜたものが使われます.
「不凍液ってなんじゃい」って思いますよね.これは冬でも水が凍らないようにするための液体です.要は融点を下げるために入れます.また,この液体を入れることでサビ防止効果もあります.
「液体が沸騰しちゃったら駄目じゃないの?」という疑問をお持ちの方.
その通りです.
液体が沸騰したら冷却ができなくなり「オーバーヒート」と呼ばれる現象を起こします.これが起こるとエンジンの爆発が安定しなくなったりエンジンが傷んだりなど,良いことがありません.
それを防ぐために「ラジエーターキャップ」と呼ばれる蓋が付いています.
このキャップは冷却水を入れるための蓋ではありません.
ラジエーター内部の圧力を変えることで冷却水の沸騰を防止します.
(山の上に行くと90度くらいで水が沸騰しますよね.これは気圧が低い為です.細かい話しは化学の先生におまかせするとして…,逆に圧力を上げると沸騰する温度が高くなります.これを利用して冷却水の沸騰防止をするのです)
水冷の利点
- 局部的な冷却が得意
- 冷却効率が高いのでエンジンの温度が安定する
- 走行中でなくても冷却が可能(ラジエーターには走行中の風以外でも冷却水を冷やす機構があるんです)
- エンジンの騒音が減る(エンジン周囲の水で音が吸収されるよ!)
水冷の欠点
- 部品点数(ラジエータなど)が増えるので故障リスクが上がる
- メンテナンスが必要(冷却水などは後々交換が必要になります.他にも水漏れや管のラジエーターキャップの点検など)
空冷
エンジンを空気を使って冷やす方法です.
バイクの走行中,エンジンに空気を当てることで熱を逃がしていく方法です.
ST250はこの方式のためエンジンむき出しです.
上で紹介した写真はST250のエンジンなのですが,外形がひだひだの形になっています.これは「フィン」と呼ばれるもので,表面積を増やし空冷の効率をアップさせるためのものです.
冬場は足元が温かいです.
空冷の利点
- 水冷のように部品が増えず簡単なので軽量かつ頑丈
- 部品が水冷に比べ少ないのでコスト面で優れている
- 冷却水交換を行う必要がない
空冷の欠点
- 暑い環境など環境に影響してエンジンの冷え方が変わってしまう
- 走行しないと冷却されない
- 局部的な冷却が苦手
- 冷却効率は水冷に劣る
油冷
油冷はエンジンオイルを使ってエンジンを冷やす方式です.
この方式は大変大胆です(仕組みを調べてて面白いなと思いました)
エンジン内部のシリンダと呼ばれる部分に直接エンジンオイルを吹き付けます.
その後は水冷の「ラジエーター」と同じで油冷では「オイルクーラー」と呼ばれる機構を使ってエンジンオイルを冷やします.
ちょっと想像の斜め上を行く冷却方法ですよね…(;´Д`)
しかし,あまりバイクで油冷なんて見かけません.
排気ガス云々で殆ど油冷式のエンジンは水冷や空冷に置き換えられてしまったとか….
どんな機構も一長一短です.
選ぶ時の参考にしていただければ嬉しいです(*‘ω‘ *)